洗車機は氷点下何度まで稼動する事が可能なのか?

冬は雪で車は汚れないイメージがありますが、年間で一番汚れる時期です。
道路には車に有害な融雪剤が撒かれ、ロードヒーティングが入っている場所では路面が濡れ、すぐに汚れてしまいます。
そんなわけで当然冬でも洗車する必要があるのですが、冬の洗車は大変です。
寒い日は車に水を掛けたとたんに凍結が始まり、手洗い洗車なんて困難な場合もあります。
そんな時にはお手軽に自動洗車機を使用すると便利です。

しかし、水を使う機械である以上気温にも限界値があると思います。
水を使用する機械としては最も過酷な条件下で動いていると思われる自動洗車機、では実際に何度まで使用できるのか調べてみました。

取材に出向いたのは北海道旭川市
ここでは日本での最高最低気温−41.0度を記録したこともある豪雪地帯です。
しかし取材当日の気温は−2度。タイミング悪く暖かい日でした。
洗車機の設置状態も過酷なものを選び、屋外設置のドライブスルータイプを取材しております。


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最初に伺ったのは旭川石油(株)”JOMOみどり野ステーション”様です。
セルフとフルサービスの両方のサービスが選べるスタンドです。
洗車機はドライブスルー機が屋外設置の2台。
フルサービス機が屋内設置の1台となります。
機種はビユーテー社のグランプリ。
洗浄素材は通常のブラシタイプになります。
外見は標準機とかなり違い、洗車機の前後に電動自動開閉の保温シャッター、上部には機内暖房用のヒーターユニット、床にはロードヒーティングが入ります。

では氷点下何度まで洗車できるのか聞いてみました。
「うちでは−10度を超える場合は、洗車機を止めています」

洗車機自体は何の問題もないのですが、ブラシが氷を噛んだりして車体にダメージを与えないようにこの温度で運用を止めているという話でした。

しかし、上記のようなトラブルは現在までには起きていないとの事。
安全策としての気温設定ですね。
こちらはフルサービスで使用されている、ビユーテー社のソフサス。
洗浄素材は不織布のアラジンクロスです。
屋内設置のため、グランプリのような寒冷地装備はされていませんが、使用気温はグランプリと同様にしてあるそうです。

次は近くの太平洋石油販売(株)旭川支店”ENEOS旭神町SS”様に伺いました
完全なセルフスタンドです。
洗車機はドライブスルー機が屋外設置の一台。
ビユーテー社のジャスパービビット。
洗浄素材は不織布のアラジンクロスです。

こちらもグランプリ同様、電動自動開閉の保温シャッターや簡易機内暖房が装備され、床はロードヒーティングになっています。
保温シャッターは後付けで、つける前と付けたあとでは比較にならないほど、凍結に強くなったそうです。
ドライブスルータイプは風邪の通り抜けが凍結に拍車を掛けるそうで、後ろが壁になるフルサービス洗車機より冬には弱いようです。
その風をシャットアウトするだけで、強くなるようですね。

こちらでは24時間年中無休洗車で運用しているので、基本的には洗車機を動かすそうです。

ではお馴染みの質問「洗車機は何度まで動くんですか?」
「氷を解かせば何度でもいけると思うよ。深夜だと−16度ぐらいになったら断る事もあるね・・」
との事。
−16度ぐらいで凍結が激しくなる為、解かす作業が必要になる・・・
深夜は従業員が少ないから、その作業まで手が回らなくなるって事ですね。

ここでも洗車機はまだまだ余裕で動きそうな感じです。


北海丸油株式会社”ISIS(アイシス)”店様
フルサービス店です。
洗車機はドライブスルーの連続洗車機が屋外設置となっております。
洗車機はエムケー精工社のミラクルシャワーのブラシ仕様。
床はロードヒーティングが入っています。
洗車機上部には、機内の湯気を取り除く電動ファンが装備されます。

こちらのお店では「洗車機は止めません」との事。

冬期間の凍結トラブルは多いそうですが、基本的にその都度解かして使用するそうです。
解かせば使えるので、今シーズンは一度も止めていないそうです。


これはもしかして、洗車機は何度でも行けるのでは?

旭川第一興産”アシストナガヤマSS”様
完全なセルフ店。
洗車機はドライブスルータイプが屋外に一台。
洗車機はエムケー精工社のI-MEX。
ブラシ仕様で床にはロードヒーティングが入っています。

こちらでは総括とも言えるお話を伺えました。

「うちでは基本的には洗車機は止めません。
気温で言うと−22、3度までは大丈夫ですね。
他がやってなくてもうちはやってるときがあるぐらいです。
洗車機の動きがスムーズではなくなるのですが、問題なく動きます。」

「どこの洗車機でもそうだと思うのですが、放っておけば洗車機はすぐに使えなくなります。
−10度でも駄目ではないでしょうか?
まめに解かしたり、氷を落としたりすれば、使う事は出来ます。
手間を掛けて洗車機を動かすか、寒い時には手が回らなくて洗車機を止めるかはそのスタンドの方針によるんだと思いますよ。」


なるほど・・・・なんかわかりかけてきました。

オートバックス旭川花咲店様
こちらは時間切れのため取材はせず写真のみです。

ダイフクユニックス社のマジックスルーウェーブ。
不織布仕様機です

周りの雪の量で、いかに洗車機が過酷な条件で動いているかわかると思います。
この時点での気温は−5度。特に問題は無さそうでした。

まとめ
以上の話を総合しますと、
洗車機に手を掛けなければ、ある程度で凍結の為動かなくなるが、手間を掛けて解かせば何度でも洗車する事が出来る。
と言う事ですね。

こんな話もありました。
「あんまり寒いと洗車のお客さん自体来ないですよ。」
洗車機が動いても、車が凍っちゃいますね。

終り