〜連洗メモリー・連続洗車機今昔物語〜
〜連洗メモリー・連続洗車機今昔物語〜
ドライブスルー洗車機の一種でコンベアによって車輌搬入されて洗車するのが、連続洗車機です。

かなり昔から存在しており「高速洗車」を謳い文句に連続洗車機を設置したSSや洗車場が日本各地にありました。当時の機種は10本近くのブラシを装備、コンベアで車輌が運ばれることから迫力ある動きが魅力でマニアから熱狂的な支持があります。

近代では自動車を停車して洗車機本体が往復移動する移動式ドライブルスルー洗車機が主流ですが、一方通行のみの洗車による洗車速度の速さで大量の洗車が可能というメリットもあり一部メーカーでは現在でも生産されています。
古い国産の連続洗車機で有名なのはビユーテー社が昭和47年に発売したビユーテーハイクリーンでしょうか。 左の画像を見ると古い連続洗車機特有のブラシの多さと本体の長さがわかります。洗車機というよりは洗車装置といったほうがいいかもしれない スケールですね。

このハイクリーンでは必要ありませんでしたが、連続洗車機専用の建物が必要な機種も当時は多々あったようです。
トレゾー氏ハイクリーンを語る
「入口のフットスイッチを倒すとコンベア作動、2番目のフットスイッチに掛かると前後ブラシ以外のブラシが回転を始めます。
入口に2本の側面洗い専用サイドブラシがあり、続いてスーパースーザー(洗剤の発泡機)トップブラシ2本・タイヤブラシ2本・ウインドブラシ2本・ロッカーブラシ2本、 ロッカブラシ後にまたフットスイッチがありそこに掛かると最後の前後ブラシ(車両の前後を洗うブラシ)が作動&ドライヤー起動、 またフットスイッチがあり水性ワックスの塗布、またフットスイッチがあってホットワックスの塗布、2台のドライヤーで乾燥を掛け終了でした。 ドライヤー機の出力は45kwの物が2台(今の洗車機は多くても5.5kw×2ファン=11kw程度)と巨大で風量も凄まじいものでした。」


こちらもビユーテー社製連続洗車機です。画像のビューテーベストクリーンはハイクリーン同様専用の建物が不要でしたが、外装の デザインが自由に選べるトータルデザイン型でいろいろなデザインの外装がありました。
上記で紹介した2つは専用建物が不要の連続洗車機でしたが、ここから紹介するのは専用建物の中に洗浄ユニット、乾燥ユニットなどを個別に 組み込んだ連続洗車機です。画像は以前、静岡県浜松市にあった物で、短冊状の布を左右に揺らして洗浄する洗浄ユニットや車体に当たる風圧で昇降するトップノズルが特徴でした。

現在よく見る洗浄素材が回転しながら洗う洗車機とは大きく異なりますが、海外の連続洗車機ではこのスタイルが多いようです。
こちらの画像は乾燥ユニット。車体からの風の反発を利用して上昇するようになっていると思われます。
黒煙艦隊氏浜松連洗を語る
「現在はなくなってしまいましたが、浜松と磐田の境の国1沿いにあった洗車場です。
装置は長くて本格的洗車場でしたが、初めて行った時に驚いたのは・・・ブラシがない・・・・
ここは受付ブ−スで洗車コ−スを選び、支払いをして洗車機の入り口で車を降ります。そして係員によって高圧ガンで洗剤を吹き付けてホイ−ルやタイヤハウスなどを予備洗浄し、念入りな手洗い洗車をしてくれます。
そして・・いよいよ洗車機に。なんと内部の噴射ノズルのほとんどが高圧洗浄装置!!最初に洗剤の噴射装置があり、そのあとは出口までのほとんどが上から下から横からとにかく国産の洗車機では見たことないくらい超高圧噴射!! 出口にホットWAX装置があり、WAX洗車を選んだ場合はそこでホットWAXが吹き付けられます。ドライや−も国産では見たことない、タイプですが感動しましたね! ”なるほど”って・・・風量もすごかったですがノズルの接近度がすごい!!突起物やRV車の凸凹ボディも車に触れることなく完璧なドライ! そして洗車機から出てきた車を係員がちょっと残っている水滴をすばやくふきあげて終了!!洗車機としてはぶちゃけハイクリ−ンなどに比べて面白みはなかったのですが、店員さんの素早さが光っている洗車場でしたね。 値段も手洗い洗車なのに700円(だったかな?)と考えたら安かったです。いちど、室内清掃付のWAX洗車をお願いしたこともありましたが(確か1500円)室内も隅々までバキュ−ムがけをしてくれて内窓も拭き筋残さずきれいに仕上がっていました。 と・・・、洗車機を語るよりスタッフの皆さんがとてもテキパキしてる印象が強い洗車場でしたね。
一時、天上のシャ−ミ−とサイドミッターが取り付けられて機械洗車になった時期もありました。手洗い洗車がオプションになりましたね。 でも、結局手洗い洗車に勝るものなしという感じだったのでしょうか・・・? サイドミッタ−は取り外されて手洗い洗車が復活。 スタッフのこだわりを感じました。

そうだなあ、もし宝くじ当たったらこんなスタイルの洗車場を経営してみたいなあ・・・」

「高速洗車」を謳い文句にした連続洗車機を設置した洗車場跡だと思われます。画層の機種はビユーテースーパークリーン。
ここからは海外製の連続洗車機についてです。

海外の連続洗車機で有名なメーカーのひとつが「HANNA」です。関東のほうではHANNA社製連続洗車装置が現役で数台稼動していているところがあります。
先の浜松市にあった連続洗車機で紹介したとおり海外製の連続洗車機では、短冊状の布を左右に揺らして洗浄する洗浄ユニットがよく採用されていますが、こちらのHANNA社製の機種は 近代の洗車機で見慣れた回転する洗浄ユニットが採用されています。
各ユニットが分かれて設置されている連続洗車機にはワックスの噴射ユニットがある物もあります。
こちらは乾燥ユニット。車輌が通過する本体左右の大きさからこの機種の乾燥能力はかなり高い物と思われます。
こちらもHANNA社製連続洗車機ですが、こちらには短冊状の布を左右に揺らして洗浄する洗浄ユニットが搭載されています。サイドロールも 布ですが、こちらは近代の洗車機とほとんど同じ構造になっています。
ちなみには短冊状の布を左右に揺らして洗浄する物は「シャーミー」と呼ばれています。ただし積極的にちからを加えて洗うのではなく、なでるように洗うので洗浄能力は低いようです。
こちらは最近幕張のSSに設置されたドイツ製連続洗車機です。透明の外壁のおかげで連続洗車機のダイナミックな動きが外からも見えるようになっています。
こちらは洗浄ユニット。先ほど紹介したのと同じようなサイドブラシの形状をしています。両脇にある壁は建物ではなく、あくまでも水の飛散防止を目的とした物に特化されているのが わかりますね。

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