★もっと詳しく洗車機の構造を見てみましょう
もっと詳しく洗車機の構造を見てみましょう。



車形認識センサー
まずは「洗車機の目」車形認識センサーについて。

洗車機の各ブラシの動作や洗車機本体の移動距離は車形認識センサーで得られたデータを元に決定。

現在の洗車機では、洗車機本体入口側に装備された光電センサーで読み取るのが主流です。洗車機のグレードに合わせて センサーも数種類存在している。
最初は廉価版洗車機で採用されているセンサー。 廉価版洗車機の場合、搭載されている光電センサーは2軸〜8軸あたりが主流で、ある程度の車種判別のみができるようになっている。

左の画像は8軸光電センサー搭載機の洗車機入口部分です。洗車機入口に8個の穴が開いているのがセンサーの部分になる。最近の洗車機はセンサーへの水しぶきや 洗剤等の付着による誤作動を防ぐため、奥側にレンズを搭載。

このセンサー搭載洗車機は洗車コース選択後、装備品などをきちんと登録してスタートさせる。
続いてここ10年ぐらいの間で高級グレードの洗車機で主流の「多軸センサー」。 簡単に言うと廉価版洗車機では数個の光電センサーしか搭載されていないが、多軸センサーは名前の通り「搭載している光電センサーの数が多いセンサー」で、その数は約50個から 多いところでは約300の数の光電センサーを積んでいる。最近の流行は一つの軸からV字状にビームを飛ばす「多方向多軸センサー」。 例えば100軸の場合だと200軸相当のセンサーにすることができる。

軸数が増えるという事で車形の認識精度が向上、アンダーミラーやリヤスポイラーといった装備品の自動認識が可能に。 廉価版洗車機でありがちな「装備品選択ボタンを押し忘れたために 装備品を破損した」という事故の防止に。ただし過信は禁物・・・取り付けが甘い物だと、 ぶっ飛ばす可能性が高いので、装備品選択ボタンを押したりガムテープで固定するなりの 自衛策が必要。

こちらのセンサー搭載洗車機は入口にスリット状の部分があり、その奥にセンサーのレンズが内蔵されている。
洗車機入口上部より超音波をクルマに当て、その跳ね返ってきた速度で車形を認識するのが「超音波(ソニック)センサー」。 鳥類のコウモリやアニメキャラのパタリロが真っ暗の闇夜の中で、自由に動き回れるのと同じ原理。

とあるメーカーの廉価洗車機で搭載されている。 1980年代後半から1990年代後半までは各社が採用してきた機構だが、検知があまいでフロントウィンドウといった傾斜した部分の読み取りが不安定になり、洗い残しが出やすいなどの 欠点が。現在の機種は光電センサーの補助として使われている模様。
★こんな物もあります!「CCDカメラ」
とあるメーカーの最高級洗車機で搭載されている物で洗車機に2つのCCDカメラを搭載。 洗車機出口側のカメラでフロントナンバー検知、洗車機入口側のカメラでリヤビューミラーを検知。 フロントナンバー検知用はekワゴンやアルファロメオの一部車種で見られる、ナンバープレートが中央に無いクルマの「ナンバープレートめくりあげ事故」を防ぐ効果がある。
トップブラシ/ロール
トップブラシ/ロールの働きは既出なので省略。ここではその制御方法について。大きく分けると2種類の方法で昇降する。
まずは昔からある「スイングアーム」による制御。

アームの先端にトップブラシ/ロールが装着され、アームがスイングすることによってトップブラシが昇降。 このアーム、洗浄素材の反対側にはウェイト(錘)が装着され、バウシングすることで車形状を追随して洗浄。 細かい動きが苦手で傾斜部分の追随が甘く、フロントウィンドウに洗い残しが見られることが・・・現在では廉価版洗車機のみで見られる機構。

ブラシの回転は左右どちらかのアームにチェーンが内蔵されており、モーターの動力がそのチェーンを介して回転する。 最近の機種ではブラシとモーターがアーム内のチェーンを介さず直結風になっている機種も。

アームのスイングはエアシリンダーの空気圧によって行われるものがほとんどでしたが、最近の一部機種では電動モーターで動かすものも存在。
現在のほとんどの洗車機で採用されているのが「垂直昇降方式」のトップブラシ/ロール。

名前のとおり洗浄素材の回転軸が金属チェーンによって直に洗車機内を昇降するスタイル。スイングアームとは異なり、微妙な動きができるので車形の追随に優れ、 フロントウィンドウといった傾斜部分もムラなく洗浄することが可能になりました。あるメーカーの機種では一時期、トップブラシ昇降用に「産業用サーボモーター」というのを 用いていた。

現在の多軸センサー搭載機では読み取った車形を元に昇降させているが、多軸センサー登場以前は負荷電流を検知する事で昇降をさせていた。
サイドブラシ/ロール
サイドブラシ/ロールの働きも既出なので省略。ここではサイドブラシ/ロールその制御方法について。
基本的にサイドブラシ/ロールは洗車機上部に装着された専用レールを走らすことで開閉される。これは昔の機種からそんなに大きく変わってはいない(昔はアームなどで動かしている機種も存在)。

まずはエアシリンダーで左右を連動させて開閉する方法。以前はほとんどの機種でこの方式が採用、電動モーターで開閉する方式が登場してからは、 廉価版洗車機でしか見れない方式に。

現在は某メーカーでは現行全ての機種でサイドブラシ/ロールがエアシリンダー開閉式になるなど復権の気配・・・製造コストも安く、現在の物は細かい開閉動作が可能になり、 洗い残しが減少。洗車機が稼働中に大きく「プシュー!」や「パシュ!」と音が出ているのはエアシリンダーのエアが抜けている音。
もうひとつの開閉方式が電動モーターによる方式。エアシリンダー式では開閉動作が左右で連動して行われていたが、電動開閉式では左右を独立で 開閉させることが可能。

エアシリンダーを用いた左右連動の開閉方式では車体正面や構面の中央部でサイドブラシがうまく当たらず洗い残しが見られたが、独立で開閉できる電動式 ではサイブラシを左右に往復させることで洗い残しを無くすことができる。ただし現在のエアシリンダー開閉式は左右独立で制御されていて、似たような開閉動作ができるので性能差は少ない。
★こんな物もあります(分割ブラシ)

あるメーカーの上位機種に搭載されている、ブラシ中央から上下で独立して回転が制御される機構。

従来の洗車機では苦手としていた「リヤスポイラー裏側の洗い残し」を解消する機構。 いままでボディ側面に対しての傾斜機能をリヤ部でも傾斜させ、 さらに分割した上部のブラシは直径を拡大したことにより、リヤスポイヤーの裏側へ確実にブラシを届かせて洗浄。

左右ブラシで分割の高さをかえることにより、ミニバンからステーションワゴンまで車の高さに合わせて使い分けることでリヤワイパー部分も安全に洗浄が可能。
トップ/サイドノズル
トップ/サイドノズルの働きも既出なので省略。ここではサイドブラシ/ロールその制御方法について。
まずはトップノズル。

昔はアームにエアシリンダー介して昇降させていましたが、現在の洗車機のほとんどが、 垂直昇降式のトップノズルを搭載。垂直昇降式のトップブラシと機構は似ているが、 トップノズルの場合、昇降レール側両脇の専用光電センサーで車形を読み取って昇降している。

多軸センサー機の場合は洗車時に読み取ったデータを元にトップノズルを昇降させているので、 一部メーカーを除き、専用センサーが付かない。

近代の上位機種ではトップノズル本体や吹き出し口が車形に合わせて傾く「スイング機構」を持った物も存在。
一方のサイドノズル、こちらは昔からほとんど変わっておらず、洗車機本体両側に細長い吹き出し口が付いているだけ。

最近の上位機種では洗車車両の車幅に合わせて数段階に伸縮する物がよく見られる。その他では一部メーカーの洗車機では乾燥効率を上げるため、進行方向に傾斜して 装備。
★こんな物もあります(アクアドライシステム)

トップノズルから風を吹き付ける代わりに水を車体表面に流し、液体が持つ性質を利用して水滴を除去する方法を利用。

乾燥時には約3〜5kwのモーターを回転させて乾燥させるので騒音が出る。時間帯によっては近所迷惑に・・・その対策として登場したのが、このシステム。 ただし強風時とか、効果が期待できない場合があるので注意!

   3時間目PART2・洗車機各部名称と働き(ドライブスルー洗車機編)   4時間目・洗車することの出来る車体寸法